多くの企業で属人化が起こる理由は、
「作業」ではなく「判断」が人に依存しているからです。
たとえば:
総務では、「どの承認ルートに回すか」を毎回担当者が判断している
経理では、「経費の例外対応」を経験者だけが知っている
カスタマーサポートでは、「お客様の温度感を読んで対応を変える」
これらはすべて“暗黙の判断”に支えられています。
そのため、マニュアルを整えても、現場の品質は再現されず、
「この人じゃないと回らない」状況が生まれるのです。
属人化したままAIを導入しても、ほとんどのケースで効果は限定的です。
なぜなら、AIが学習できるのは“データ化された判断のパターン”だけだからです。
現実には、その判断がどこで・どんな情報をもとに行われているのかが整理されていないため、
AIが支援すべきポイントを定義できません。
装舎が行うのは、AIを導入する前に、
「人が行っている判断」を見える化し、その構造を設計すること。
これにより、AIが活用できる正しい設計図(プロセスモデル)が初めて生まれます。
属人化をなくすための第一歩は、「判断の型」をつくることです。
装舎では、以下のような手順で進めます。
① 判断の発生箇所を特定する
どの工程で人の判断が必要になっているかを洗い出します。
──例:承認、対応判断、優先順位付け、分類など。
② 判断基準と参照情報を整理する
判断を支えている“見えない根拠”を明文化します。
──例:経験的なルール、参照するドキュメント、依存するデータ。
③ 再現可能な条件に変換する
これらをシナリオや条件分岐として定義し、業務フローと統合します。
──例:Power AutomateやLogic Appsでモデル化。
この段階で、AIが支援できる“型”が完成します。
判断の型が整うと、次のような変化が生まれます。
| Before(従来) | After(型を導入後) |
|---|---|
| 判断が人に依存しており、引き継ぎが難しい | 判断基準が共有され、誰でも同じ対応が可能に |
| 属人化による業務停滞が発生 | プロセスが再現され、業務が止まらない |
| 新人教育に時間がかかる | 判断の“筋道”が明確になり、育成が短縮 |
| AIが導入できない | AIが支援できるプロセスモデルが整う |
結果的に、AIは単なるツールではなく、
「人の判断を支える組織の知恵の仕組み」として機能するようになります。
装舎では、次の3つの軸で判断の型づくりを支援しています。
現場ヒアリングと業務モデリング
業務の流れを観察し、判断の分岐点を定義する。
AI設計のためのルール抽出とデータ整理
判断を再現するための条件・根拠・文脈を整理。
運用しながら型を育てるフィードバック設計
AIと人の運用結果を比較し、型を磨き続ける。
このアプローチにより、現場に自然に溶け込みながら、
再現性の高い運用モデルを構築できます。
属人化をなくしたいなら、AI導入ではなく、まず“判断の型”をつくることから始めましょう。
装舎のAI×業務プロセス設計は、その型づくりを体系的に支援し、
人の判断とAIの支援を組み合わせた“持続可能な現場”を実現します。