多くの企業・自治体が「AIを導入したが使いこなせていない」と感じています。
原因は技術ではなく、AIが機能するための業務設計の欠如です。
たとえば、承認フローが部署ごとに異なり、判断基準が個人依存している場合、AIは「どの情報をもとに判断すればよいか」を学習できません。
AIは“人の代わり”ではなく、“人と共に動く仕組みの一部”であるにも関わらず、その設計がされていないことが、導入失敗の最大の理由です。
AIの精度を高めるために「データ整備」に注力する企業は多いですが、実際にはデータ構造の前にプロセス構造を整理することが重要です。
現場で行われている意思決定・承認・報告・確認などの流れを明文化し、誰が何の情報で判断しているのかを明確にすることで、AIが正しく支援できる条件が整います。
装舎ではこのプロセスをPower Apps、Dataverse、Azure AI Searchなどの標準技術でモデル化し、既存システムと連携しながら動く仕組みを構築しています。
装舎の設計思想は「AIを中心に置かない」ことにあります。
現場の人が日常的に行っている行動や判断の流れを出発点とし、AIがどの段階で補助・代行・提案を行うのが最適かを設計します。
この現場起点のアプローチにより、AI導入時にありがちな「現場が追いつかない」「AIが浮いてしまう」といった課題を防ぎ、人が自然にAIと共に動ける環境を作ります。
例として、ある企業の経理部門では、経費精算の承認が担当者ごとにばらついていました。
装舎はまず、全ての承認ルールと例外処理を整理し、判断プロセスを可視化。
その上で、AIが「過去の判断パターン」や「社内規定」を参照し、承認提案を自動生成する仕組みを構築しました。
結果として、承認時間は平均60%短縮。再確認の手戻りが激減し、全体の業務スループットが向上しました。
装舎のアプローチでは、AI導入が単なる業務効率化ではなく、**組織の“再現性の設計”**になります。
人材が変わっても品質を維持し、判断基準が可視化されることで、スピードと正確さの両立が可能になります。
これはAIの力というよりも、「AIが動ける構造を人が設計した結果」です。
この状態こそが、装舎が目指す“AIが機能する組織”です。
これからの組織の競争力は、どれだけ多くのAIツールを導入したかではなく、AIが日常業務の中でどれだけ自然に動いているかで決まります。
装舎はそのための「業務設計」「システム連携」「運用支援」を一貫して提供し、AIが組織文化の中に根付く状態を支援します。
AIを“導入する”のではなく、“組織で機能させる”。それが装舎の提供する新しい業務デザインです。
「人が減っても止まらない組織」は、“AIが人を代替する”組織ではありません。
それは、人とAIがそれぞれの得意を活かして協働できるように設計された組織です。
装舎は、そのための「仕組み」と「文化」を同時にデザインし、持続的に動き続ける組織づくりを支援しています。