組織の「変化への強さ」は、個々の能力ではなく業務の再現性によって決まります。
そしてその再現性を支えるのが、業務を共有財産として設計し、誰でも理解し実行できる仕組みを整えることです。
AIを含む自動化技術は、単なる効率化ではなく、こうした「共有化された業務設計」を支える基盤として機能します。
近年、多くの企業・自治体で「属人化」と「継承断絶」が深刻化しています。
ベテラン職員が退職し、暗黙知が引き継がれない
人事異動や在宅勤務により、現場の判断がばらつく
各部門で独自のルールやExcel管理が乱立している
この結果、「誰かがいないと回らない」業務構造が固定化され、変化に対応できない組織体質を生み出しています。
経済産業省の2023年度調査でも、中堅企業の約68%が「業務標準化の遅れ」を課題に挙げ、その主因として「暗黙知への依存」「非構造化データの蓄積不足」を挙げています。
これは単なる“効率の問題”ではなく、組織の存続リスクそのものです。
装舎が提唱する“業務設計の共有財産化”とは、
誰が担当しても同じ品質で動ける業務モデルを設計すること
業務ルール・判断基準・手順を構造化データとして残すこと
人とAIがその設計図をもとに補完し合う運用を可能にすること
を意味します。
これは従来の「マニュアル化」や「引き継ぎ資料」とは根本的に異なります。
装舎のAI×業務プロセス設計では、Microsoft Power PlatformやAzure AI Searchなどを活用し、
日々の業務ログ・判断記録・承認プロセスを動的に学習させることで、**現場で進化する“業務知識ベース”**を形成します。
変化に強いチームの条件は、「一人が抜けても機能する」だけではありません。
それは、誰が加わってもすぐに適応できる柔軟性と、状況に応じて判断できる透明性を備えていること。
業務設計が共有財産化されることで、次のような効果が生まれます。
✅ 判断の一貫性が担保される(判断ミスや対応差が減少)
✅ 教育・引き継ぎコストが大幅に削減される
✅ 現場の改善提案が全社的に共有され、再利用される
✅ 変化への対応スピードが上がる(新サービス・新制度対応など)
✅ AI支援が“補助的”ではなく“共同作業的”になる
これにより、組織全体が「人の交代で止まらない」「変化を前提に動ける」状態になります。
装舎では、次の3ステップで業務の共有財産化を進めます。
1️⃣ 現状の業務プロセスの可視化
業務フローや承認プロセスをヒアリングし、暗黙知・判断基準を抽出。
2️⃣ モデル設計とAI連携
Power AppsやDataverseを用いて、プロセスをデジタル上で再現。
必要に応じてRAG(Retrieval-Augmented Generation)を組み込み、判断補助や知識検索を実装。
3️⃣ 現場運用とアップデート
運用後の改善点を収集し、AIモデルと業務フローを同時に更新。
これにより、業務設計自体が“生きた資産”として更新され続けます。
AIや自動化の本当の価値は、業務を“人に依存しない共有財産”に変えることにあります。
それこそが、変化の時代において最も確かな“組織の競争力”です。
装舎は、単なるAI導入ではなく、「人が動く仕組み」を設計するパートナーとして、
組織の持続的成長と変化へのしなやかな対応力を支えます。