多くの企業では、申請書や経費精算、契約書などの承認ルートが、
いまだにメール・Excel・紙ベースで運用されています。
この運用には以下の課題があります:
申請内容がどこで止まっているのか分からない
担当者の不在・異動でフローが滞る
承認履歴が散在し、監査対応に時間がかかる
承認ルール変更時の反映が困難
これらは単なる作業負担ではなく、経営判断を遅らせる“情報の摩擦”です。
Logic Appsでは、以下のような構成で承認ルートを自動化します:
トリガー:SharePointリストやFormsに新しい申請が登録された時
条件分岐:金額・カテゴリ・部署などの条件に応じて承認者を動的に決定
アクション:TeamsまたはOutlookで承認依頼を送信し、承認・却下を取得
データ記録:DataverseまたはExcelに承認履歴を保存
通知:完了・却下を申請者に自動通知
これにより、申請・承認・記録・報告のプロセスが1つのワークフローで完結します。
Logic AppsはMicrosoft 365のネイティブサービスと統合可能です。
例えば:
| 業務内容 | Before(手動) | After(Logic Apps連携) |
|---|---|---|
| 経費精算 | Excel申請→上司メール承認→経理転送 | Forms入力→自動承認ルート→Teams通知 |
| 購入稟議 | Word稟議書→印刷・署名 | SharePoint登録→Power Automate承認→履歴自動保存 |
| 月次報告 | 各部署がメール添付 | Dataverse自動集約→Power BIでリアルタイム可視化 |
導入企業では、承認までの平均時間が3分の1以下に短縮。
また、監査対応時間は最大で70%削減されています。
Logic Appsで定義されたフローは、すべてJSONベースで保存され、
ルートの変更履歴も追跡可能です。
これにより、
組織変更や人事異動があってもフローが止まらない
承認ルートの再利用(テンプレート化)が容易
内部統制監査に耐えうる「透明な承認履歴」を自動生成
属人的な判断から、再現性のある仕組みへと変化します。
現場の「例外処理」を先に洗い出すこと
例外処理が多いほど、自動化の負荷が高くなります。
Logic Appsでは条件分岐を柔軟に設定できるため、
設計段階でパターンを明確化することが重要です。
“承認ルール”を明文化すること
承認基準をルール化し、フロー定義に落とし込む。
このプロセスが、業務の属人性を減らします。
AIとの連携を前提に設計すること
将来的にRAGやCopilotと連動し、
「判断の支援」を自動化する基盤を作ることが可能です。
自動化は人の仕事を奪うものではなく、
「判断に集中できる時間を取り戻す」ための仕組みです。
装舎では、Logic Appsを単なる技術導入として扱うのではなく、
組織全体の業務プロセスを再設計し、
**“止まらない承認文化”**を根付かせる支援を行います。