INSIGHT|コラム・リサーチ
既存のExcelが生きる!Logic Appsで“手放さない自動化”を設計する
――Excel中心の現場から始める、現実的な業務プロセス自動化の第一歩
Excelは「古いツール」ではなく、現場に最も浸透した業務インターフェースです。
Logic Appsを用いることで、既存のExcelをそのまま業務データの“ハブ”として活かしつつ、
通知・承認・集計・レポートといった周辺業務を自動化できます。
重要なのは「置き換え」ではなく、「接続」です。
装舎は、企業や自治体が長年築いてきたExcelベースの業務資産を活かしながら、
クラウド連携による持続可能な業務プロセスへと進化させる設計を提供しています。
1. Excelを捨てるリスクと、現場が抱える“乗り換え疲れ”
多くの企業では、SaaSやERPへの全面移行を検討しつつも、
「Excelがなくならない」現実に直面しています。
その理由は明確で、
担当者が即座に編集できる柔軟性
フォーマット変更の容易さ
業務の“現場知”が詰まっている
ためです。
しかし、ファイルの分散、バージョン管理の不統一、
メール添付による承認遅延など、属人的な課題も多く存在します。
2. Logic Appsでできること:Excelを“動くデータベース”に変える
Microsoft Logic Appsは、クラウド上で業務フローを自動実行できるサービスです。
Power Automateと似ていますが、より複雑なフロー管理や外部連携に強みがあります。
たとえば、次のような設計が可能です:
業務シナリオ | Logic Appsによる自動化例 |
---|---|
承認申請 | Excelの更新をトリガーにTeamsへ承認依頼を送信 |
集計レポート | 毎週特定シートの内容をPower BIに送信・自動更新 |
データ連携 | DataverseやSharePointと接続して二重入力を排除 |
通知管理 | 入力ミスや未承認項目を自動検知してメール通知 |
こうしたフローは既存のExcelファイルを温存したまま構築できます。
つまり、システムを「作り替える」のではなく、「既存業務の延長線上で進化」させることが可能です。
3. ExcelとLogic Appsの連携が優れている理由
Microsoft 365環境におけるExcel(特にOneDriveやSharePoint上のファイル)は、
クラウドAPI経由でトリガー・アクションの双方に対応しています。
つまり、
Excelの特定セルの変更 → Logic Appsが自動的に起動
他システムからの出力 → Excelに自動反映
といった“往復の自動化”が実現可能です。
さらに、Dataverseを介してPower AppsやAzure AI Searchと連携することで、
現場のデータをAIが参照・補完し、意思決定を支援する仕組みを構築できます。
これにより、「Excelのまま業務を続ける」ことが、
同時に「クラウドネイティブ化を進める」ことにもなるのです。
4. 装舎が提供する設計の特徴
装舎は、単なるツール導入ではなく、業務構造の可視化と最適化を伴う支援を行います。
具体的には以下の3つのステップで進行します。
Step 1:業務棚卸とExcel構造分析
既存ファイルの利用目的・頻度・連携状況を分析。
どのプロセスをLogic Apps化すべきかを明確化します。
Step 2:段階的な自動化設計
いきなり全自動化せず、承認・通知などの単位で小規模に設計。
現場の抵抗感を減らし、改善のサイクルを組み込みます。
Step 3:モニタリングとチューニング
自動化後のデータ品質と処理精度を分析し、継続的に改善。
AI連携を視野に入れた“持続可能なオペレーション”を構築します。
5. 結論:Excelを「遺産」ではなく「資産」にする
Excelは、これまでの業務の履歴であり、組織の知的財産です。
Logic Appsはそれを“未来に接続するインターフェース”になります。
装舎の「AI×業務プロセス設計」は、
現場で使われてきた道具を尊重しながら、技術的な一貫性と再現性を担保する
――そんな、実務に根ざした変革を支援します。