多くの企業では、SaaSやERPへの全面移行を検討しつつも、
「Excelがなくならない」現実に直面しています。
その理由は明確で、
担当者が即座に編集できる柔軟性
フォーマット変更の容易さ
業務の“現場知”が詰まっている
ためです。
しかし、ファイルの分散、バージョン管理の不統一、
メール添付による承認遅延など、属人的な課題も多く存在します。
Microsoft Logic Appsは、クラウド上で業務フローを自動実行できるサービスです。
Power Automateと似ていますが、より複雑なフロー管理や外部連携に強みがあります。
たとえば、次のような設計が可能です:
| 業務シナリオ | Logic Appsによる自動化例 |
|---|---|
| 承認申請 | Excelの更新をトリガーにTeamsへ承認依頼を送信 |
| 集計レポート | 毎週特定シートの内容をPower BIに送信・自動更新 |
| データ連携 | DataverseやSharePointと接続して二重入力を排除 |
| 通知管理 | 入力ミスや未承認項目を自動検知してメール通知 |
こうしたフローは既存のExcelファイルを温存したまま構築できます。
つまり、システムを「作り替える」のではなく、「既存業務の延長線上で進化」させることが可能です。
Microsoft 365環境におけるExcel(特にOneDriveやSharePoint上のファイル)は、
クラウドAPI経由でトリガー・アクションの双方に対応しています。
つまり、
Excelの特定セルの変更 → Logic Appsが自動的に起動
他システムからの出力 → Excelに自動反映
といった“往復の自動化”が実現可能です。
さらに、Dataverseを介してPower AppsやAzure AI Searchと連携することで、
現場のデータをAIが参照・補完し、意思決定を支援する仕組みを構築できます。
これにより、「Excelのまま業務を続ける」ことが、
同時に「クラウドネイティブ化を進める」ことにもなるのです。
装舎は、単なるツール導入ではなく、業務構造の可視化と最適化を伴う支援を行います。
具体的には以下の3つのステップで進行します。
Step 1:業務棚卸とExcel構造分析
既存ファイルの利用目的・頻度・連携状況を分析。
どのプロセスをLogic Apps化すべきかを明確化します。
Step 2:段階的な自動化設計
いきなり全自動化せず、承認・通知などの単位で小規模に設計。
現場の抵抗感を減らし、改善のサイクルを組み込みます。
Step 3:モニタリングとチューニング
自動化後のデータ品質と処理精度を分析し、継続的に改善。
AI連携を視野に入れた“持続可能なオペレーション”を構築します。
Excelは、これまでの業務の履歴であり、組織の知的財産です。
Logic Appsはそれを“未来に接続するインターフェース”になります。
装舎の「AI×業務プロセス設計」は、
現場で使われてきた道具を尊重しながら、技術的な一貫性と再現性を担保する
――そんな、実務に根ざした変革を支援します。