Power Automateは「Microsoft 365」の利用者が、Excel・Outlook・Teamsなどと連携して
個人のタスクを自動化することを目的に設計されています。
一方、Logic Appsは「Azure Integration Services」の一部であり、
API・外部システム・オンプレミス環境・AIサービスなどを接続する企業システムの中核的なインテグレーション基盤です。
例)Power Automateは「メールを送ったらTeamsに通知」
Logic Appsは「注文データが届いたら在庫DBを更新し、請求システム・物流APIを連携」
Logic Appsはより低レイヤーのコントロールが可能で、再利用可能なテンプレート構築やバージョン管理に優れます。
Power Automateは「ユーザー単位」の利用が基本。
個々のフローがユーザーアカウントに紐づくため、
担当者の異動・退職時には運用リスクが発生します。
Logic AppsはAzureポータルで運用され、
サービスアカウントによるガバナンス管理が可能。
アクセス制御・ロール分担・監査ログ管理も標準でサポートしており、
長期的な運用を前提にした組織設計が可能です。
Power Automateは「ユーザーごとのライセンス課金」。
一方Logic Appsは「実行単位(トリガー・アクション)」課金。
利用量に応じた従量制のため、
自動化のスケールが大きくなるほど、Logic Appsの方が経済的になるケースが多いです。
またLogic AppsはARMテンプレートでのデプロイやDevOps連携が可能なため、
開発・検証・本番環境の分離運用にも適しています。
Logic AppsはAzure MonitorやApplication Insightsと連携し、
フロー実行状況・失敗トラッキング・遅延などを可視化。
また、Azure Policyでのポリシー管理や
Key Vaultによる認証情報の一元管理もサポート。
このため、業務の安定稼働とコンプライアンス対応を同時に実現できます。
特に自治体・製造・金融など、
外部監査対応や情報保全が求められる領域ではLogic Appsの方が適しています。
装舎では、AI×業務プロセス設計において「組織の再現性と透明性」を最重要視しています。
Logic Appsはその設計思想と最も親和性が高く、
・AIモデルとの安全なAPI連携
・RAG検索やDataverseとの連携による業務知識の活用
・複数部門間のトレーサビリティ確保
といった “動的な業務インテリジェンス基盤” を構築するための中核に位置づけています。
| 観点 | Power Automate | Logic Apps |
|---|---|---|
| 対象 | 個人・小規模チーム | 組織全体・システム統合 |
| 主な利用目的 | 日常業務の自動化 | 部門・企業間プロセスの連携 |
| 管理方法 | ユーザー単位 | サービスアカウント管理 |
| 拡張性 | 限定的 | 高い(API・外部接続・AI連携) |
| コスト構造 | ユーザーライセンス課金 | 実行従量課金 |
| ガバナンス | 手動運用中心 | 組織単位のポリシー設定可能 |