現代の組織において、トレーサビリティやガバナンスの要件が厳しくなる中、
“誰が・いつ・どんな判断をしたのか”を残すことは、単なる管理ではなく信頼の証明行為になっています。
しかし多くの現場では、
記録が個人のノートやExcelに留まっている
承認や判断がメール・口頭・チャットで行われている
データがシステムごとに分断されている
という構造的な課題を抱えています。
この非構造的な情報をつなぎ、「判断」と「記録」を一体化させることこそが、AI実装の出発点です。
AI導入でよくある誤解は、AIが人の判断を置き換えるというものです。
実際には、AIの強みは“判断そのもの”ではなく、判断に至るまでの文脈と証拠の整理にあります。
装舎では、
Power Platform(Power Apps, Dataverse, Power Automate)
Azure AI Search / OpenAI Service
を用い、判断プロセスのデータを整理・モデル化。
その上で、AIが「次に参照すべき情報」や「過去の判断傾向」を提示し、人が最終判断を行う形を採用します。
この“判断支援構造”によって、AIは人の知的負担を減らし、判断の一貫性を高める存在になります。
装舎の「協調設計」は、以下の原則に基づきます。
| 項目 | 人が担う領域 | AIが担う領域 |
|---|---|---|
| 意思決定 | 最終判断・倫理的判断・リスク評価 | 判断材料の提示・過去データの照合 |
| 記録 | 意図・理由・背景の補足 | 自動ログ化・メタデータ管理 |
| 改善 | フィードバック・現場調整 | パターン分析・提案の抽出 |
AIがすべてを代替するのではなく、AIが「人の意図を補完し、再現可能にする」設計が鍵となります。
Microsoft Dataverseにより、業務ごとに「判断イベント」を構造化
Azure AI Searchで履歴・報告・添付資料を横断検索
OpenAI Serviceで要約・分類・タグ付けを自動生成
→ 判断の根拠が自動的に記録・検索・追跡可能な状態を実現
Power Automateを活用し、承認・報告・通知を自動実行
ただし重要判断(例:承認・顧客対応)はAIが「提案」止まり
最終決定は常に人が行う構造を保持
→ AIが“自動化の補助者”として機能し、信頼の連続性を維持
業務アプリ(Power Apps)上で、AIが提示する「判断理由」を人が確認可能
変更・判断履歴をDataverseでバージョン管理
部門・組織を越えたデータ連携もセキュアに統合
→ 属人性を残しつつも、第三者が監査・検証可能な“透明な判断履歴”を形成
AIは、人の代わりに考えるものではなく、「信頼を再現できる形に残す」ための共創ツールです。
装舎は、AIと人の協調を軸に、判断・記録・改善の循環を業務プロセスに埋め込み、
組織が自ら「信頼を設計できる構造」へと進化することを支援します。