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生産履歴のデータが未来のレシピになる

──AI×農業の可能性

AI導入の目的は「自動化」ではなく、現場の知恵を次世代に残す仕組み化にある。
農業の現場で日々蓄積される生産履歴──気温、水分量、肥料の配合、作業日報──は、
一見ただの記録だが、実際には再現性のある成功のレシピになる。

装舎の「AI×業務プロセス設計」は、これらのデータを単なるログではなく、
“未来の判断を支える知識体系”として整える技術基盤を提供する。

それにより、熟練者の経験を形式知化し、若手や新規参入者も同等の成果を出せる環境を構築できる。
AIはあくまでその仕組みを支える**共働者(パートナー)**であり、
人の勘や感性を奪うものではなく、「共有できる知恵」に変える道具である。

1. 農業のデータは「記録」ではなく「条件」である

従来の農業記録は、「何を・いつ・どれだけ」行ったかを残すものでした。
しかし装舎が注目するのは、「どんな条件で成功したのか」という因果の設計です。

たとえば、

  • 気温と湿度の組み合わせで収量が安定したパターン

  • ある肥料配合と水やりのタイミングの最適化

  • 作業者ごとの対応差が結果にどう影響したか

これらを生産履歴の中から構造的に抽出・整理するプロセスがAI×業務プロセス設計の中心にあります。

2. 生産履歴を“未来のレシピ”に変えるためのAIの役割

AIの役割は「予測」ではなく「補助と再現」です。
装舎では、Microsoft Power PlatformやAzure AI Searchを活用し、
生産現場の履歴データを「ナレッジモデル」に変換します。

これにより、

  • 過去の条件をもとにした最適な判断支援

  • 新しい品種や気候条件への応用

  • 担当者交代時の業務引き継ぎ効率化

が可能になります。
つまりAIは、過去を参照して“未来を再現する”ためのシステムとして機能します。

3. 実例:データが導いた品質の安定化

ある地域農園では、作業者によって収穫品質にばらつきがありました。
装舎が介入し、生産履歴をAIで分析すると、
「収穫時の湿度条件」が品質に最も影響していることが判明。

この結果を踏まえ、湿度センサーと業務アプリを連携し、
作業時のタイミングをAIがアラートする仕組みを設計。

結果、翌年の収穫期には品質のばらつきが30%以上削減され、
若手スタッフでも同水準の成果を出せるようになりました。

これは単なる自動化ではなく、
“成功の再現性”を組織で共有できる仕組み化が成果を生んだ事例です。

4. データ活用の壁と、その越え方

多くの現場では「データ入力が手間」「人によって精度が違う」などの課題があります。
装舎の設計思想は、人が無理なく使えるUX設計段階的な導入に重点を置いています。

  • 紙ベースの記録 → タブレット入力 → 自動データ収集へと進化

  • 属人的な判断をAIが参照して助言する「共同思考」設計

  • 現場を止めずに改善できる小さな導入単位(パイロット方式)

これにより、現場を疲弊させずにデータ文化を根付かせることが可能です。

まとめ:AIがつくるのは、未来を再現する“知の台帳”

AI×業務プロセス設計とは、
「人の経験を数値に置き換えること」ではなく、
「経験を共有し、再現できる状態にすること」です。

生産履歴は単なる記録ではなく、
次の世代に引き継ぐレシピブックであり、
それを整えることが、
持続可能な生産と品質保証の第一歩です。

装舎は、
この“未来のレシピ”を共に設計し、
地域と産業の新しい信頼の形をつくっていきます。

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