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生産者だけで完結しない6次化

― パートナー企業との共創で広がる可能性

6次産業化は「生産・加工・販売を自ら行う」ことで価値を高める手法として広く知られていますが、実際の現場では人手・時間・資金・専門性の制約により、単独で完結するモデルは限界を迎えています。
いま求められているのは、“自前化”ではなく“共創化”
つまり、生産者・加工業者・流通・IT・行政・研究機関などが、それぞれの強みをデータで連携し、プロセスでつなぐ仕組みを持つことが、持続的な6次化成功の鍵になります。

装舎はこの“共創プロセス”を支えるために、AI×業務プロセス設計を軸に、現場ごとのデータ連携・意思決定支援・品質保証の仕組みを構築します。

1. 単独6次化の限界 ― 人とデータの分断が生むボトルネック

農林水産省の統計(※)によると、6次産業化に取り組む事業者の約70%が「販売面での課題」、50%以上が「加工・運営体制の負担増」を挙げています。
多くの現場では、生産・加工・販売の各工程が個別に最適化されており、データや判断が共有されないまま運営されているのが実態です。

・加工業者が原料の特性をリアルタイムに把握できない
・生産側が販売動向を知らず、需給のミスマッチが発生
・販路開拓の情報が属人的に管理されて再現性がない

こうした断絶は、品質維持やコスト最適化を難しくし、「頑張っても成果が見えにくい6次化」を招きます。

2. 共創型モデルの台頭 ― データとプロセスでつなぐ新しい関係

ここ数年、特定の地域や企業では共創型6次化モデルが成果を出し始めています。
たとえば、以下のような動きです。

  • 生産情報(収穫量・品質)をクラウドで共有し、加工計画を自動調整

  • AIによる販売データ分析で、需要予測を生産スケジュールに反映

  • RAG(Retrieval Augmented Generation)を活用し、過去の商談・クレーム情報を瞬時に参照

  • Power Appsで現場担当者がリアルタイムに入力・承認・可視化

これにより、部門や企業の垣根を越えたプロセスの標準化と最適化が進み、従来の“個人スキル頼み”から脱却。
結果として、

  • 品質ばらつきの低減

  • ロス率の削減

  • 顧客対応のスピード改善
    などの成果が現れています。

3. 技術が支える「関係の見える化」 ― 装舎のアプローチ

装舎が重視するのは、AIによる業務自動化ではなく、人と人、組織と組織の関係性を支える仕組みの設計です。

具体的には以下の3層構造で共創を支えます:

レイヤー目的使用技術・手法
データレイヤー各工程・組織のデータを統合Microsoft Dataverse, Azure AI Search
プロセスレイヤー現場の業務フローをモデル化・自動化Power Automate, Logic Apps
ナレッジレイヤーAIによる判断支援・過去事例の参照RAG, Copilot統合システム

この仕組みを導入することで、

  • 「誰が」「何を」「なぜ」判断したのかが全員に見える

  • 品質や信頼性の根拠がデータとして残る

  • 外部パートナーとの取引も透明で再現性がある

といった、“人と技術が共に働く”環境が実現します。

4. これからの6次産業化 ― 共創を前提とした「持続のデザイン」へ

6次産業化の本質は、「地域に新しい経済循環を生み出すこと」です。
そのためには、個々の生産者が自立するだけでなく、多様なパートナーと連携し、共に継続可能な仕組みを育てることが欠かせません。

装舎では、

  • 地域単位での共創モデル設計

  • 生産・加工・流通のデータ連携基盤構築

  • 品質や安全性のトレーサビリティ確保

を支援し、「共に成長する6次産業化」の実現を目指しています。

まとめ

6次産業化は“自前化”ではなく“共創化”の時代へ。
AI×プロセス設計で、人とデータの関係をつなぐことが鍵。
装舎はその仕組みを設計・実装し、持続可能な地域経済の基盤をつくる。

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