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トレーサビリティの次に来る、“プロセスの透明化”という概念

~新しい品質保証のカタチを作り出すために知っておくべきこと~

「プロセスの透明化」は単なるデータの“見える化”を超え、企業全体の信頼性、効率性、さらには顧客満足度を向上させるための鍵となります。
特に食品流通業界においては、プロセスの可視化と透明性の確保が、品質保証の新たなスタンダードを作り出し、業界全体を次の段階へと進化させるために不可欠です。
これを実現するためには、AI技術と業務プロセス設計を活用し、“行動履歴”の透明化、判断基準の明文化、そしてリアルタイムでの品質確認を行うシステムが必要です。

1. はじめに: これからの品質保証における最大の課題とは?

食品業界では、製品の「信頼性」を担保するためにトレーサビリティ(追跡可能性)が重要視されてきました。しかし、トレーサビリティは製品がどこを通過してきたのかを追跡するだけのものであり、「どういうプロセスを経てその品質が保証されているのか」という部分が見えにくいという問題を抱えています。
その結果、製品が通過する各プロセスでどのような判断や変更が行われたのか、全体像を把握することが困難になり、品質や信頼性の証明が部分的・不完全なものになってしまいます。

2. トレーサビリティの限界: 現在の流通システムが抱える課題とは?

現在、トレーサビリティは製品が「どこで、いつ、誰が触ったか」という情報を追跡しますが、これだけでは品質が本当に保証されているかどうかは見えません。
例えば、製造過程での問題点、判断基準、品質管理のプロセスがブラックボックス化している場合、それが明らかになるのは問題が発覚した後という遅れが生じます。
このように、現行のトレーサビリティの枠組みだけでは、問題発生の予防や改善の実行が難しくなり、品質保証における信頼性の低下や業務の非効率性が生じることになります。

3. プロセスの透明化とは: ただのデータの可視化にとどまらない、その本質

プロセスの透明化とは、単にデータを視覚化することではありません。
重要なのは、各プロセスがどう設計され、どのように意思決定が行われるのかを理解し、明文化し、全てのステークホルダーにその過程を示すことです。
具体的には、以下の3つの観点が求められます:

  • 行動履歴の透明化: 誰が、どんな判断を下したのかをリアルタイムで追跡可能にする

  • 判断基準の明文化: 何をもって「品質良好」とするのか、基準を明確に定義し共有する

  • プロセス全体の可視化: 各業務プロセスがどのように連携し、価値を生んでいるのかを見える化する

これにより、予測可能性再現性の高い品質管理が実現します。すなわち、問題が発生した時にも、どこで何が起こったのか、なぜそう判断されたのかが瞬時に確認できるようになります。

4. 実務にどう落とし込むか: プロセス透明化の効果と導入のポイント

プロセス透明化は、実務に落とし込むためにAI×業務プロセス設計という技術が必要です。
AIは、膨大なデータをリアルタイムで処理し、プロセスごとにどのような状況が発生しているかを自動的にフィードバックします。
例えば、製造業務のフローにおいて、AIが不良品の発生傾向を予測し、問題が発生する前に警告を出すことができます。これにより、早期に改善策を講じることが可能になり、品質保証が強化されます。

5. SUSTAIN ABLE DESIGNの役割: これからの食品流通に求められる新しい仕組み

装舎が提供するSUSTAIN ABLE DESIGNでは、食品流通業界に特化した「プロセスの透明化」の仕組みを構築する支援を行っています。
これにより、品質管理が複雑化しがちな流通業務をAIとプロセス設計によって再構築し、業務の効率化、トレーサビリティの強化、品質の信頼性向上を実現します。
また、参加型の共創型コミュニティによって、業界の課題を共有し、現場で実践的に検証・改善を繰り返し行うことが可能となり、持続可能で信頼性の高い品質保証の仕組みが作られます。

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