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AI時代の“品質管理”を支えるのは、人の観察力だった。

——データでは拾えない“異変”を捉える組織が、次の競争力を持つ。

AIは品質管理を「測る」ことはできても、「守る」ことはできません。
真の品質は、現場の人が積み重ねてきた経験・勘・観察眼と、
それを支える情報システムがシームレスに結びついたときに生まれます。
装舎が取り組むAI×業務プロセス設計は、
この“観察力の再現性”を仕組み化するための新しい品質基盤づくりです。

1. 品質管理の現場に広がる「自動化の限界」

多くの企業が生産や流通、サービス提供においてAIを導入し、
検品・監視・予測といった領域を自動化しています。
しかし、近年の国内外の実例を見ると、
「センサーが検知しなかった異常」「AIが正常と判断した不具合」による
品質事故は依然として発生しています。

たとえば食品業界では、AI画像検査による選別精度が高まっても、
実際の異臭や食感など“数値化されない品質”に関するトラブルが増加。
製造現場でも、AIが見逃した微細な変化を熟練者が発見するケースが後を絶ちません。

これらは、「AIに任せた後に人が支える」のではなく、
「人の観察をAIが支える」方向に設計を見直す必要があることを示しています。

2. “異常値”ではなく、“異変”を見抜く力が価値になる時代

AIは統計的な“異常値”を検出することは得意ですが、
それを“異変”と判断するためには文脈理解が必要です。
異変とは、

  • いつもより作業時間が少し長い

  • 現場の声に“違和感”がある

  • 同じ条件下で成果が不安定になる
    といった、小さな揺らぎの中に潜んでいます。

この「小さな兆候」を見逃さない観察力は、
人間の経験や共感、注意深さに根ざしたものであり、
それをAIが補完する仕組みが今後の品質の要となります。

3. 装舎が考える「観察力を活かすAI×プロセス設計」

装舎では、AI導入を“作業の自動化”としてではなく、
**「人の判断や観察をデータ化し、再現可能にする仕組み」**として設計します。

具体的には以下の3つのアプローチを採用します:

  1. 業務プロセスの可視化:属人化した判断や手順を明文化・モデル化

  2. 観察データの統合:人が気づいた変化を定性的データとして蓄積

  3. RAG(Retrieval Augmented Generation)型ナレッジ連携
     現場での“気づき”をAIが学び、次の判断に活かす

これにより、単なる自動化ではなく、
「人の感覚を含んだ品質管理システム」が構築可能になります。

4. 品質とは、人とシステムの信頼関係から生まれる

品質の安定は、データの正確さよりも、
「現場が安心して使える仕組み」によって支えられています。
システムに信頼を持てるとき、人は観察をシステムに託せます。
そして、システムがその観察を正しく記録・再利用できるとき、
組織全体の品質が“文化”として定着します。

装舎が設計するAI×業務プロセスは、
この信頼の循環を支える品質基盤として機能します。

5. AI時代に求められるのは、“気づける組織”の設計

AIがどれほど進化しても、「異常を疑う力」は人にしかありません。
その観察を止めないために、AIは“人の注意力を支える存在”になる必要があります。

装舎は、AIを「気づきを促す補助輪」として捉え、
現場の判断がより早く、より確かに届く仕組みを共に設計します。
それが、AI時代における品質管理の新しいかたちです。

まとめ

品質とは、データの精度ではなく、
人と仕組みが“信頼し合う関係”から生まれるもの。

AIがそれを支える時代に、
装舎は「人の観察力」を次の価値基盤に変えていきます。

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