多くの企業・自治体がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていますが、
その多くは「紙をデジタルに置き換える」段階に留まり、業務の本質的な変化までは至っていません。
各部署が個別にツールを導入しても、データの整合性・意思決定のスピード・現場間の共有が追いつかず、
結果として「効率化のはずが複雑化した」という声も少なくありません。
現場担当者はデータを持ち、管理者はレポートを見ています。
しかし、それらのデータを「行動」や「判断」に変える仕組みが整っていない。
たとえば、製造現場の不具合情報がリアルタイムで可視化されても、
サプライヤーや営業部門に届くのが遅れれば、結果的に顧客満足にはつながりません。
今、企業に必要なのは「情報の共有」ではなく、プロセス全体の共有です。
“プロセスの共有化”とは、単にツールをつなぐのではなく、
業務の流れ(プロセス)そのものを標準化・連携させることを意味します。
具体的には:
部門ごとの承認・報告・判断をモデル化
AIによる意思決定支援を組み込み、再現性を確保
各ステークホルダーが同じ判断基準にアクセスできる仕組みを設計
これにより、属人化が減り、判断が速くなり、組織が「1つのシステム」として動くようになります。
グローバル企業や国内大手メーカーでは、
「サプライチェーンの共創化」が進んでいます。
製造、流通、販売の各プレイヤーがリアルタイムでデータを共有し、
同じプロセスモデルに基づいて判断・対応できる体制を整えつつあります。
これにより、
部品供給の変動に対する即応力の向上
品質問題の早期発見
顧客対応の一貫性確保
が可能になります。
この流れは製造業に限らず、自治体やサービス業、教育分野にも広がりつつあるのが現状です。
装舎のアプローチは、単なるシステム導入ではありません。
現場の業務を可視化し、AIによる支援を「判断」ではなく「運用の再現性」を高めるために活用します。
Power Platform(Power Apps、Dataverse)やAzure AI Searchを使い、
既存システムを無理に置き換えず、現行フローを強化・接続する設計を行います。
この設計思想により、
現場の知識(ナレッジ)が自動的に組織全体で共有
新人でもベテランと同等の判断を再現
組織の文化や強みを失わずに変革を推進
することができます。
これからの組織は、単に「効率的」ではなく、協働的で柔軟である必要があります。
外部パートナーや異業種連携を前提に、
データとプロセスを安全に共有できる設計を持つことが、成長の条件になります。
そのためには、経営層・現場・システム担当が同じ視点で業務設計を見直し、
「つながるための仕組み」を一緒に作る必要があります。
AIもシステムも、それ自体が解決策ではありません。
真の競争力を生むのは、**現場が共に動ける「設計の共有」**です。
装舎はそのための設計と実装を両輪で支援し、
企業や自治体が自ら「共創型のサプライチェーン」を構築できるよう伴走します。