かつて、製造業や流通業では「品質=外部審査の合格」でした。
しかし、近年では品質不正やデータ改ざんなど、“証明プロセスそのもの”の信頼が揺らぐ事例が国内外で報告されています。
この背景には、品質が「報告書」や「監査対応」の形式的な作業に閉じていたという構造的な問題があります。
装舎では、これを「現場が日々の業務で品質を更新し続ける仕組み」に変えることを提案しています。
つまり、品質証明を“結果”から“行動”へ移すことが真の変革です。
多くの現場では、担当者の経験や暗黙知に基づいて判断が行われています。
たとえば「この製品は問題ない」「この工程はこれでいい」といった日常の判断は、しばしば個人の感覚や状況依存です。
これを放置すると、品質は人によってばらつき、再現性のない運用になります。
AI×業務プロセス設計の目的は、このばらつきを“見える化”し、
どの担当者でも同じ品質を保てるプロセスを設計すること。
たとえば、AIが過去の判断履歴・温湿度条件・作業記録を参照して
「この条件では再検査が必要です」と提示することで、人の判断を補強します。
属人化を減らすことは、人を排除することではなく、人がより重要な判断に集中できる環境を整えることなのです。
AI導入の多くは、部分的な自動化(例:チャット応答や帳票処理)に留まりがちです。
しかし、装舎の設計思想はそれより一歩深く、業務そのものをデータ化・再現可能化することにあります。
具体的には:
判断フローをモデル化(Power Apps / Logic Apps など)
作業データや検査ログをリアルタイムで収集・可視化
異常値や偏差をAIが自動で検知・レコメンド
改善履歴をナレッジ化し、次のプロセスに自動反映
この仕組みにより、品質の「理由」がデータで説明でき、
「誰が、なぜ、どう判断したのか」が透明化されます。
これが、検証可能な品質証明=現場から生まれる信頼です。
多くの現場でAI導入が失敗する理由は、
「データを信じられない」「AIの判断に納得できない」ことにあります。
装舎のアプローチでは、AIを“判断者”ではなく“共働者”として位置づけ、
人がAIの根拠を理解し、修正できるプロセスを設計します。
これにより、データが人の判断を補完し、人がAIを育てる循環が生まれます。
これは単なるツール導入ではなく、組織文化そのものの再設計です。
品質を保証するための基準やルールは変わり続けます。
しかし、本当に価値のある品質とは「誰が審査したか」ではなく、
「どのように改善を続けているか」で証明されるものです。
装舎は、AI×業務プロセス設計を通して、
現場が自らの改善をデータで積み重ね、
その記録が品質の裏付けとなる社会を目指しています。
これが、私たちの考える**「現場がつくる品質証明」**です。