実際の現場では、次のような声をよく聞きます:
「ツールを導入したが、設定変更や入力ルールが煩雑で現場がついてこない」
「自動化したはずのフローが、別部門との連携で止まる」
「RPAやAIを使っても、人の確認を結局挟む必要がある」
これらはいずれも、ツールが悪いのではなく、**“業務設計がツールに合っていない”**ことが原因です。
たとえば、経理の承認プロセス一つをとっても、
「申請内容の確認基準」や「例外処理の判断ルール」が曖昧なまま自動化すると、
システムがどこで“止まる”か予測できず、結果的に業務の遅延を招きます。
装舎が多くの現場で見出した、自動化を阻む代表的な壁は次の3つです。
1️⃣ プロセスの不透明性
業務手順が人ごとに異なり、どの処理が誰の判断で行われているか可視化されていない。
→ 結果、ツールが“どの業務を自動化すべきか”を判断できない。
2️⃣ データ連携の断絶
部門間で使用しているシステムやデータ形式が異なり、情報の橋渡しが人に依存している。
→ 自動化した一部の処理が、他部門で止まる。
3️⃣ 人とAIの役割分担の欠如
AIに“何を任せ”、人が“どこで判断するか”の線引きが曖昧。
→ 現場が混乱し、最終的にAIを“オフ”にしてしまう。
この壁を越えるには、ツール導入の前に「業務そのものを設計し直す」ことが不可欠です。
装舎が行うAI×業務プロセス設計では、以下の3つのステップで組織を再構築します。
1️⃣ 業務の構造化(Process Modeling)
現場で行われている承認・判断・報告プロセスをすべて見える化し、
AIやシステムがどの部分で支援できるかを定義。
2️⃣ データ連携設計(Integration Design)
Power Apps、Dataverse、Azure AI SearchなどMicrosoft標準技術を用いて、
部署・部門を越えてデータが循環する設計を構築。
3️⃣ AIサポートによる運用定着(Adaptive Operation)
導入後も、現場の行動ログや改善フィードバックをAIで解析し、
最適なプロセスに再設計していく──“動きながら進化する組織”を実現。
ツール単体での成果は限定的ですが、
**“現場の行動がモデル化され、誰でも同じ判断をできる状態”**をつくると、
自動化は一気に生産性を発揮します。
たとえば、
カスタマーサポートでは、「対応品質のばらつき」が減少
経理・総務では、「二重チェック」「人的確認」が不要に
行政・団体では、「報告・承認・記録」が自動的に整合
装舎は、このような再現性と透明性の高い業務運用を、
AIと人が共に働く形でデザインします。
自動化の目的は「作業を減らすこと」ではなく、
**「組織の動きを安定させ、成長を持続させること」**です。
そのためには、ツールの導入前に「業務の構造を見直し、
人とAIが共に動ける仕組みを設計する」ことが重要です。
装舎は、その設計と運用を伴走型で支援し、
単なる“導入”ではなく、**“成果の出る仕組み”**を共に実装します。