近年、企業のカスタマーサポートには「即時対応」だけでなく、“どの担当者でも同じ品質で答えられる”一貫性が強く求められています。
特に、SNSを通じた情報拡散や口コミ文化が進むなかで、対応のばらつきはブランド価値の低下に直結します。
一方で、FAQやナレッジが増え続け、現場では「探す・確認する・判断する」工程が肥大化し、オペレーターの負担が増大しています。
多くの企業が導入するAIチャットやFAQシステムは、表面的な自動応答にとどまり、実際の対応プロセス(判断・報告・記録)には手が届かないことが現場の悩みです。
結果として、「AIで自動化しても人が結局チェックしている」「回答が不十分で再問い合わせが増える」といった副作用が起きています。
これは、AIが現場の業務プロセス設計と接続していないことが原因です。
装舎は、現場のオペレーションを詳細にモデル化し、AIが判断支援・ナレッジ検索・履歴参照を自然に行える仕組みを構築します。
たとえば以下のようなアプローチです:
Power Apps や Dataverse で対応ログ・承認履歴を一元管理
Azure AI Search により過去対応データをリアルタイム検索
RAG(Retrieval-Augmented Generation)で文脈に即した回答提示
これにより、担当者が「何をどう答えるべきか」を迷わず、AIの提示情報をもとに人間の判断を補助する形で対応できるようになります。
実証導入を行ったサポート部門では、次のような変化が見られました:
対応の再現性:異なる担当者間での回答ばらつきが平均25〜30%減少
ナレッジ更新頻度:情報が自動的にフィードバックされ、更新サイクルが短縮
顧客満足度:定性評価(顧客アンケート)で「わかりやすい」「誠実な対応」が増加
これらは単なるAIツールの導入では得られない、「仕組みとしてのAI活用」による成果です。
AIがサポート業務を代替するのではなく、“判断の共働者”として支援するモデルが主流になりつつあります。
人は、AIが示す提案を踏まえて顧客の感情や状況を読み取り、柔軟に応じる。
AIは、人の判断を学習・構造化し、再現性を高める。
このサイクルを業務プロセスとして設計することで、企業は短期的な効率化だけでなく、長期的なブランド価値向上を実現できます。
カスタマーサポートの本質は、顧客と企業の“信頼の接点”をつくることです。
AIは、その信頼を支える「一貫性」「記録性」「再現性」を担保する技術として機能します。
装舎は、そのAIを現場に馴染ませ、“人の働きを強くする”業務プロセス設計を提供します。
結果として、対応品質が安定し、担当者の負担が軽減し、組織全体の信頼構築サイクルが加速します。