多くの企業で業務が滞る原因は、「誰が・どの基準で・どの順番で判断するか」が曖昧なことです。
特に承認業務では、
同じ内容の確認を複数人が行っている
重要度に関係なく全ての申請が上層部まで上がる
報告が人に依存し、記録が残らない
といった構造的なムダが生じています。
装舎が調査した約30社の業務設計事例では、1つの承認に平均3〜5人が関与しており、うち半数が「確認のみ」で価値を生んでいませんでした。
装舎では、業務を再設計する際に「報告・承認・判断」の流れを“業務モデル”として明文化します。
ポイントは以下の3つです。
判断基準の共有化:過去の判断履歴を整理し、何をもって承認されるのかを明確化
判断の階層化:現場で完結できる判断は下位レイヤーに委譲
AIサポートの導入:RAG(Retrieval-Augmented Generation)を使い、過去事例・ルールを即座に参照できる仕組みを組み込み
こうした再設計により、「判断のための情報収集」「承認のための確認」「報告のための整形」にかかる時間を平均50%以上削減できました。
Before:
各部署から見積依頼が上がるたびに、購買・営業・経理・本部が逐次確認
1件あたりの承認に平均5営業日
承認理由が残らず、担当者が変わるたびに再確認が必要
After(装舎導入後):
Power Apps × Dataverseで見積申請フォームを標準化
承認基準をRAGでAI参照可能に(「この条件なら承認可」など)
結果:承認時間は平均2営業日 → 0.8日へ短縮(約60%削減)
承認履歴が自動で記録され、監査対応工数も半減
プロセスの再設計は単なる効率化ではなく、「人が考える時間を取り戻す」ことでもあります。
判断に迷う時間が減ることで、社員は本来価値を生む業務(提案・改善・顧客対応)に集中できるようになります。
装舎では、AIや自動化を目的化せず、「人の判断を支える仕組みをどう設計するか」を中心に据えています。
この視点が、結果として“業務効率が2倍になる”組織を生み出すのです。
承認・報告・判断の流れを見直すことは、「AIを導入する」よりも先に行うべき最も重要な改革です。
業務プロセスの再設計こそが、組織が継続的に成長するための基盤であり、装舎はその基盤を現場で共に構築します。