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Power Automateとの違いを理解する:Logic Appsが得意な領域とは?

――Logic Appsは“現場で使うツール”ではなく、“組織の仕組みを支える基盤”

Power Automateは「現場担当者の生産性向上」に最適なローコード自動化ツールであり、
Logic Appsは「組織横断のデータ連携・ガバナンス・AI統合」を実現するクラウドネイティブな統合基盤です。

Logic Appsが得意とするのは「一人の便利」ではなく、「仕組みとして動く組織の安定性」。
装舎は、Logic Appsを中心に据えた業務プロセス設計により、
企業・自治体・団体の「現場の知見を仕組みに変える」支援を行います。

1. 技術構造の違い:同じAzureの上にある「層」が違う

Power Automateは「Microsoft 365」の利用者が、Excel・Outlook・Teamsなどと連携して
個人のタスクを自動化することを目的に設計されています。
一方、Logic Appsは「Azure Integration Services」の一部であり、
API・外部システム・オンプレミス環境・AIサービスなどを接続する企業システムの中核的なインテグレーション基盤です。

例)Power Automateは「メールを送ったらTeamsに通知」
  Logic Appsは「注文データが届いたら在庫DBを更新し、請求システム・物流APIを連携」

Logic Appsはより低レイヤーのコントロールが可能で、再利用可能なテンプレート構築やバージョン管理に優れます。

2. 運用設計の違い:個人利用とシステム運用の分岐点

Power Automateは「ユーザー単位」の利用が基本。
個々のフローがユーザーアカウントに紐づくため、
担当者の異動・退職時には運用リスクが発生します。

Logic AppsはAzureポータルで運用され、
サービスアカウントによるガバナンス管理が可能。
アクセス制御・ロール分担・監査ログ管理も標準でサポートしており、
長期的な運用を前提にした組織設計が可能です。

3. 拡張性とコスト構造:組織スケールに最適化された設計

Power Automateは「ユーザーごとのライセンス課金」。
一方Logic Appsは「実行単位(トリガー・アクション)」課金。
利用量に応じた従量制のため、
自動化のスケールが大きくなるほど、Logic Appsの方が経済的になるケースが多いです。

またLogic AppsはARMテンプレートでのデプロイやDevOps連携が可能なため、
開発・検証・本番環境の分離運用にも適しています。

4. セキュリティ・管理・可視化:ガバナンスを前提とした設計思想

Logic AppsはAzure MonitorやApplication Insightsと連携し、
フロー実行状況・失敗トラッキング・遅延などを可視化。
また、Azure Policyでのポリシー管理や
Key Vaultによる認証情報の一元管理もサポート。

このため、業務の安定稼働とコンプライアンス対応を同時に実現できます。
特に自治体・製造・金融など、
外部監査対応や情報保全が求められる領域ではLogic Appsの方が適しています。

5. 装舎がLogic Appsを中心に据える理由

装舎では、AI×業務プロセス設計において「組織の再現性と透明性」を最重要視しています。
Logic Appsはその設計思想と最も親和性が高く、
・AIモデルとの安全なAPI連携
・RAG検索やDataverseとの連携による業務知識の活用
・複数部門間のトレーサビリティ確保
といった “動的な業務インテリジェンス基盤” を構築するための中核に位置づけています。

6. まとめ:

観点Power AutomateLogic Apps
対象個人・小規模チーム組織全体・システム統合
主な利用目的日常業務の自動化部門・企業間プロセスの連携
管理方法ユーザー単位サービスアカウント管理
拡張性限定的高い(API・外部接続・AI連携)
コスト構造ユーザーライセンス課金実行従量課金
ガバナンス手動運用中心組織単位のポリシー設定可能

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