INSIGHT|コラム・リサーチ
小規模生産者でも始められる業務自動化入門
―― AIと仕組みづくりで、“手が足りない現場”を支える方法
業務の自動化は、設備投資でも難しいシステム導入でもありません。
今の「現場のやり方」を整理し、人が判断している部分を仕組みに置き換えることから始まります。
装舎では、小規模生産者でも負担なく導入できる「AI×業務プロセス設計」を通じて、日々の業務を安定・効率化し、品質を落とさずに生産性を高める仕組みを構築しています。
1. 自動化を始める前に ― 現場を「見える化」する
小規模生産の現場では、「あの人がやっているからできている」業務が多く存在します。
まずはそれらを棚卸しして、「どんな判断が必要か」「どの情報を見て動いているか」を整理することが出発点です。
装舎では、この段階を業務プロセス設計としてサポートし、AI導入の前に“現場の思考”をデータ化します。
ポイント
紙や口頭で行っている作業をデジタルに置き換える
作業工程を「判断が必要な業務」と「ルールで進められる業務」に分ける
後者(ルールで進められる業務)から自動化を検討
2. 小さく始める ― 自動化の第一歩は「通知」と「記録」
自動化というと、ロボットや大規模システムを思い浮かべがちですが、実際には日々のルーティン業務の簡略化から始められます。
たとえば:
生産記録をExcelに転記 → Power Appsで現場から直接入力
日報の提出忘れ → Teams通知で自動リマインド
在庫情報の更新 → Dataverseと連携して自動反映
これらのツールはすべてMicrosoftの標準技術(Power Platform, Azure AIなど)で構築できるため、初期コストを抑えつつ、安全に運用できます。
装舎の支援ポイント
現場の既存システムに合わせた設計(新規開発なし)
Power Automateによる業務の自動実行
AIを組み合わせた「判断補助」の仕組み化
3. 属人化からの脱却 ― 誰でもできる業務に変える
自動化の本質は「効率化」ではなく、「再現性のある品質維持」です。
現場で長年培ってきた“勘”や“経験”をAIとプロセス設計で整理し、誰が担当しても同じ結果を出せるようにします。
たとえば:
品質チェックの基準をAIが学習し、異常値を自動検知
過去の作業履歴をRAGで検索し、判断材料を即座に提示
担当者変更時も同じプロセスで継続可能
これにより、「あの人がいないと回らない」を解消し、組織として持続可能な生産体制を築けます。
4. 自動化がもたらす“時間と信頼”
導入後に最も大きく変わるのは、現場の「時間の使い方」です。
入力や転記などの単純作業が減ることで、
本来注力すべき生産活動
品質向上の工夫
顧客との関係構築
に時間を使えるようになります。
また、業務の履歴や判断基準が記録として残るため、品質証明・トレーサビリティの信頼性も格段に向上します。
これは、取引先や消費者との関係構築において大きな価値となります。
まとめ:装舎が提供する“小さく始める自動化”
装舎のAI×業務プロセス設計は、
現場を止めない導入
既存システムとの安全な連携
属人化からの脱却と品質の再現
を重視しています。
自動化は「大きな投資」ではなく、「日々の業務を見直す第一歩」です。
小さく始めて、確実に成果を積み上げる――その伴走を私たちは提供します。