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RAG活用で即座に情報を取り出すテクニック

── 組織の「知っているのに探せない」をなくす

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、組織の中に点在する膨大な資料・マニュアル・報告書を、AIが“その瞬間に必要な形で”取り出せる仕組みです。
これにより、「誰が」「いつ」作成した情報であっても、現場で即座に判断材料として活用できるようになります。
装舎では、単なる検索システムではなく、「組織の知識を日常業務で使える状態」に設計することで、再現性とスピードを両立します。

1. RAGとは何か──AIに“調べる力”を持たせる仕組み

一般的な生成AIは、学習済みデータをもとに文章を生成しますが、最新の社内情報や専門文書にはアクセスできません。
RAGは、この課題を解消する仕組みです。AIが社内データベースやクラウド上のファイルを“その場で検索”し、参照結果を踏まえて回答を生成します。
たとえば、「過去3年分のトラブル対応報告の傾向を教えて」と質問すると、AIが内部資料を探して要約し、すぐに答えを返してくれる──それがRAGの基本的な動作です。

2. RAGがもたらす実際の効果──「知識の分断」をなくす

多くの組織では、資料や知見が部門・担当者ごとに散在しています。
その結果、

  • 情報を探すのに時間がかかる

  • 更新された文書がどれか分からない

  • ベテランしか答えられない質問がある
    といった「知識の分断」が起きています。

RAGを導入すると、こうした情報のバラつきを“検索可能な構造”に整え、AIが横断的に参照します。
つまり、「担当者の頭の中にしかない情報」や「複数のファイルに分散した手順」も、RAGが一瞬でまとめてくれるのです。

3. RAGを活用するための実践テクニック

装舎では、RAGを導入する際に次のようなプロセスを推奨しています。

  1. 情報の“置き場所”を整理する
     → OneDriveやSharePoint、Dataverseなど、AIが参照できる安全なストレージを用意します。

  2. ファイル構造と命名規則を統一する
     → “人間が探しやすい”構造は“AIが読み取りやすい”構造でもあります。

  3. 日常業務の中でRAGを使うトリガーを設ける
     → 例:「社内チャットから直接AIに聞ける」「Power Appsのフォームから呼び出せる」など。

  4. 重要情報はRAG経由で必ず参照する運用にする
     → 情報が自動的に更新・統合され、古い資料の参照ミスを防ぎます。

4. RAG導入で変わる組織の“動き方”

RAGを活用することで、組織は次のように変わります。

  • 会議前の資料確認が数分で完了する

  • 新人でも過去の判断を即座に学べる

  • 問い合わせ対応の標準化と迅速化

  • 情報の属人化を解消し、再現性を持たせる

つまり、RAGは「AIが代わりに答える仕組み」ではなく、
「組織全体の判断スピードと精度を底上げする仕組み」なのです。

5. 装舎が支援するRAG導入のアプローチ

装舎では、単にRAGを導入するだけではなく、
業務プロセスの流れの中に**“自然に情報が取り出せる仕組み”**を設計します。

  • 各部門の業務プロセスに沿ったRAG検索UIの設計

  • Microsoft技術(Azure AI Search、Power Apps、Dataverse)との統合

  • ナレッジ更新ルールの設計と運用支援

この統合設計により、「AIを使う業務」ではなく「AIが溶け込んだ業務」に変化していきます。

まとめ

RAGは、単なる検索の効率化ではなく、「組織全体の知識を即時活用できる体制」を作る技術です。
装舎はこの仕組みを、現場の業務プロセスに溶け込む形で実装し、組織の意思決定を支える環境へと導きます。

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