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データを取る理由、活かす理由

──生産の現場から始まる設計思考

生産・流通の現場でデータを「取る」ことは、単なる記録業務ではありません。
そのデータを「活かす」ためには、現場の判断基準や業務プロセスそのものを設計し直すことが必要です。
つまり、AIや自動化は目的ではなく、人の経験を再現性のある形に構造化するための道具であり、
装舎の「AI×業務プロセス設計」は、その設計思考を支える実践的アプローチです。

1. データは“報告のため”ではなく、“再現のため”に取る

多くの現場では、データ収集が「上司への報告」「監査対応」「補助金の要件」のために行われています。
しかし、本来の目的は“再現性”の確保にあります。
・なぜこの条件で成功したのか
・なぜ今回は歩留まりが下がったのか
・どの判断が品質の安定につながったのか
これらを言語化・定量化しない限り、改善も継承も偶然に左右されます。
装舎の設計思想では、この「暗黙知を構造化する」ために、
Power Apps・Azure AI Search・Dataverse などを組み合わせ、現場で“考えながら記録できる”仕組みをつくります。

2. データを“活かす”には、構造と文脈が必要

単にデータを集めても、それは「記録の倉庫」に過ぎません。
活かすためには、業務プロセスと紐づいた構造化が不可欠です。
装舎では、データを以下の3階層で整理します:

  1. イベントデータ(現場で起きた事実)
     → 生産日、天候、作業内容、担当者など

  2. 判断データ(現場での意思決定)
     → どんな条件で「良し」としたのか

  3. 結果データ(成果・影響)
     → 歩留まり、品質スコア、納期達成率

この3つの関係性をモデリングすることで、AIが単なる数値の相関ではなく、現場の文脈を理解した分析を行えるようになります。

3. データが「現場判断の質」を変える

構造化されたデータは、経営層だけでなく、現場の担当者自身の判断を支えます。
たとえば食品製造の場合:

  • 前回の製造条件と品質結果を即時参照

  • 原料ロットの傾向をAIが自動提示

  • 温湿度のリアルタイム変化を基に最適ラインを推奨

これにより、「経験のある人しかできなかった判断」がデータとして共有・再現されます。
結果として、現場全体が“考える組織”に変化していくのです。

4. システム設計ではなく“関係設計”が鍵

装舎の特徴は、単なるシステム導入ではなく、人とAIの関係性を設計することにあります。
人がAIに指示するのではなく、AIが人に「問いかける」構造を組み込みます。
例:

「この条件で製造する場合、前回の品質結果は平均より5%低下していました。条件を確認しますか?」

このような“対話型AI”を現場に設置することで、
データが「確認」ではなく「共創のきっかけ」になる──これが、装舎が提唱する設計思考です。

5. データを活かすことで生まれる3つの成果

  • 再現性のある品質の確立
     → 経験依存から、データベース化された知識経営へ

  • 持続可能な生産体制の構築
     → 担当者の交代・季節変動に強い業務基盤

  • 顧客・社会への透明性向上
     → トレーサビリティ情報を消費者やパートナーと共有できる

まとめ

「データを取る」ことはゴールではなく、
“データで現場が自分たちの判断を磨ける状態をつくる”ことこそが目的です。
装舎のAI×業務プロセス設計は、現場の中にその思考を埋め込み、
「見える化」ではなく「考える化」を実現します。

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