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“システム化”ではなく“構造化”

──生産現場の知恵を活かす仕組みづくり

生産現場における本当のデジタル化とは、ツールを導入することではなく、現場に存在する判断・記録・共有の構造を明確化し、それをAIが学習・再現できる形に設計することです。
装舎はこの「構造化」に焦点を当て、既存システムを置き換えず、現場の知恵を失わずに進化させる業務プロセス設計を支援します。結果として、業務の属人化が減り、品質とスピードを両立した持続可能な運用体制が実現します。

1. なぜ“システム化”だけでは現場が動かないのか

多くの企業では、業務効率化の手段として新しいシステムを導入します。
しかし現実には、次のような課題が頻発しています。

  • システムが現場の判断や運用の実態に合わない

  • 現場で二重管理・手作業が増える

  • 属人化がむしろ強化される

  • “入力作業”ばかりが増えて生産性が落ちる

その理由は、「業務をシステムに合わせた」ために、現場にある構造(判断・優先順位・確認プロセス)を翻訳できていないからです。

2. “構造化”とは何か──装舎が考える業務設計の基礎

装舎が提唱する“構造化”とは、業務の要素・判断基準・連携フローを言語化・モデル化し、AIやデジタルシステムが再現可能な単位に分解することです。
つまり、「人の行動を置き換える」のではなく、「人の考え方を理解し、再現できる形にする」アプローチです。

構造化のプロセス例:

  1. 現場ヒアリング・観察による暗黙知の抽出

  2. 意思決定プロセスのモデリング(ルール化・条件分岐化)

  3. データ項目と実務ステップの関連付け

  4. Microsoft Power Platform(Power Apps / Dataverse / Power Automate)などを用いた実装と検証

  5. 現場検証とフィードバックループ設計による継続的進化

これにより、ツール導入ではなく、組織として再現可能な知恵の仕組みを構築します。

3. 技術的リファレンス:構造化によって変わる運用の例

🔹 ケース1:生産計画と品質報告の一元化

  • Before:各担当者が独自フォーマットで記録。月末に集計ミスやデータ欠落が発生。
  • After:Dataverse上に共通データ構造を定義。Power Appsで入力・検索・承認を標準化。
  • 結果:記録工数40%削減、確認時間60%短縮、報告の精度が均一化。

🔹 ケース2:設備保守記録の構造化による予兆検知

  • Before:紙の点検票とExcelで管理。トラブル傾向が見えず、対応が後手。
  • After:保守項目を構造化してAI分析。Azure AI Searchで過去の対応履歴を照合可能に。
  • 結果:異常検知までの平均時間が1/3に短縮。

4. 構造化がもたらす3つの価値

  • 知識の再利用性
     属人的な判断を“業務知”として蓄積し、他部門・他拠点へ展開可能に。

  • 業務の再現性
     AIが業務プロセスを模倣し、担当者が変わっても品質を維持。

  • 進化可能性
     システムの改修ではなく、構造単位で改善・進化できるため、変化に強い。

5. 装舎のアプローチ:現場とともに設計する

装舎は、上流からの要件定義ではなく、**「現場の声をプロセス言語に翻訳する伴走型構造化」**を行います。

  • 業務の可視化から、AI設計・実装・教育までを一貫支援

  • Power Platformを中心に、既存システムとの親和性を重視

  • 部分導入から全体最適化へのスケールアップ設計

このアプローチにより、導入時の現場抵抗を最小化し、成果を現場主導で実感できる仕組みを構築します。

まとめ:装舎が目指すのは「変わらないための進化」

“システム化”は外から押しつける仕組み。
“構造化”は中から育てる仕組み。

装舎は、生産現場に蓄積された知恵や工夫をAIと共に再現し、次世代へ継承できる形に設計することで、持続可能な業務基盤をつくります。
これは単なるDXではなく、**「現場が主役の業務設計」**です。

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