INSIGHT|コラム・リサーチ

自治体・企業連携で広がる地域トレーサビリティ・モデルの最前線

― データがつなぐ、生産・流通・信頼の新しいエコシステム ―

地域トレーサビリティの最前線では、自治体が「信頼の基盤」として、企業が「データの担い手」として機能し始めています。
その中心にあるのは、AIやクラウド技術ではなく、現場の業務プロセスを共通化し、データを持続的に流通させる設計です。
装舎は、この“プロセスを社会構造としてデザインする”ことにより、
地域全体の生産・流通・品質保証を、属人的ではなく構造的に信頼できる仕組みとして実装しています。

1. 地域トレーサビリティの課題 ― “データがつながらない”構造

これまでのトレーサビリティは、農産物・水産物・製造業など、各業界内で独立した管理が行われてきました。
その結果、自治体・企業・流通間でデータ形式がバラバラになり、
「履歴があっても連携できない」「証明はできるが改善に活かせない」
といった課題が顕在化しています。

特に以下の3点が問題とされています:

  • 異なる事業者間でデータ形式が統一されていない(CSV, PDF, 紙など)

  • ルールや監査が自治体ごとに異なり、スケールが困難

  • トレーサビリティが“事後証明”にとどまり、業務改善に結びつかない

2. 新しい潮流:自治体と企業が「プロセス」を共有する動き

近年、国内では「自治体がプラットフォーマーになる」動きが進んでいます。
例として、食品安全の高度化に取り組む複数の自治体では、
生産履歴・検査記録・物流経路を一元化した地域共通データベースの構築が始まっています。

装舎はこの取り組みを支援し、

  • Microsoft Power Platform を活用した 現場入力の標準化

  • Azure AI Search による 自治体・企業横断のデータ検索

  • Dataverseを用いた 再現性のあるプロセス共有基盤
    を実装。

これにより、企業が個別に導入するよりも、自治体が中立的に管理する形で
「全地域が共通の仕組みを使える」状態が実現しつつあります。

3. トレーサビリティを“証明”から“設計”へ変える

装舎が考えるトレーサビリティの本質は、
「何が起きたかを記録する」ではなく、「同じ品質を再現できる」ことにあります。
つまり、トレーサビリティとは 再現性の科学 であり、品質管理の延長ではなく業務設計の一部なのです。

AIはここで、

  • データ入力のばらつきを補正し、

  • 現場の判断をプロセス化し、

  • 誰が対応しても同じ品質で運用できる仕組みを支えます。

これにより、自治体・企業・消費者が「共通の目線」で品質を理解できる状態が生まれます。

4. 実装がもたらす効果 ― 事実ベースの成果

実際の導入現場では以下のような成果が報告されています:

  • 報告作業時間を40%削減:AIによる自動記録整理と承認フロー統合

  • 地域ブランド価値の向上:透明性データを活用したマーケティングが可能に

  • リスクの早期検知:サプライチェーン内の異常値を即時共有・修正

これらはすべて、「AIによる判断」ではなく、AIが支える業務プロセス設計によって実現されています。

5. 今後の展望 ― 「地域の仕組み」としての拡張

今後、地域トレーサビリティ・モデルは次のフェーズに入ります。

  • 自治体間でのデータ共有(例:隣接地域との連携)

  • 金融・保険などの二次利用(生産者の信用スコア化)

  • 教育・人材育成との統合(持続可能な産業継承)

装舎は、この“地域を単位としたAI×プロセス設計”を通して、
社会的信頼の循環を設計することを目指しています。

最後に:装舎が果たす役割

装舎は「AIを導入する会社」ではなく、
AIで機能する社会構造を設計する会社です。

自治体・企業・団体・生産者が共通の仕組みでつながるとき、
トレーサビリティは単なる証明ではなく、
地域の誇りと産業の持続性を支える新しい社会的基盤になります。

HOME|ホーム

01

HOME|ホーム

NEWS|新着情報

02

NEWS|新着情報

ABOUT|会社情報

03

ABOUT|会社情報

INSIGHT|コラム・リサーチ

04

INSIGHT|コラム・リサーチ

CONTACT|相談・共創窓口

05

CONTACT|相談・共創窓口

株式会社装舎

京都市下京区中堂寺南町134
京都リサーチパークASTEMビル8F
COPYRIGHT(C)2022-2025