INSIGHT｜コラム・リサーチ
SUSTAIN ABLE DESIGNと共に実現する「信頼の設計」
― トレーサビリティの再定義と、現場主導の品質保証へ ―
従来のトレーサビリティは「安全性を証明する記録」でした。
しかし、これからの時代に求められるのは「信頼を継続的に更新する仕組み」です。
装舎が展開する SUSTAIN ABLE DESIGN は、AI×業務プロセス設計を活用し、
生産・流通・管理・販売など、企業や自治体の垣根を越えて“品質の証明を共創する”基盤です。
この仕組みを導入することで、
各組織は自らの業務を見える化し、データに基づいて信頼を積み上げることが可能になります。
つまり「信頼の設計」とは、単なるテクノロジー導入ではなく、
人と仕組みが連動する“継続可能な品質保証の文化”をつくることなのです。
1. 「信頼の設計」は、仕組みから始まる
企業や自治体が社会的信頼を得るには、「どのように作られ、どのように運ばれ、誰が最終判断をしたのか」という一連のプロセスを、一貫して説明できる状態が求められます。
従来はISOやHACCPなどの外部認証に依存した品質保証が主流でしたが、これらは第三者の審査が中心であり、現場の運用実態や日々の判断を十分に反映できないという課題がありました。
SUSTAIN ABLE DESIGNは、この“ブラックボックス化”した品質保証を現場主体で再構築するアプローチを取ります。
AIによって業務プロセスの判断基準や記録を自動化・可視化することで、
「どの現場でも、同じ判断ができる」再現性の高い信頼構造を実現します。
2. トレーサビリティの本質：データではなく“関係性”を記録する
トレーサビリティは本来、「データの記録」ではなく「責任の連鎖」を明らかにするものです。
SUSTAIN ABLE DESIGNでは、単にロット番号や出荷履歴を追うのではなく、
**「なぜその判断をしたのか」「どの情報を根拠としたのか」**をデータとして残します。
このアプローチにより、外部からの監査やクレーム対応時にも、
単なる履歴の提示ではなく、“判断の透明性”を示すことが可能になります。
結果として、取引先や消費者との信頼関係を継続的に更新できる基盤が整います。
3. AI×業務プロセスによる「自律型品質保証」
装舎のAI×業務プロセス設計は、Power PlatformやAzure OpenAI、Microsoft Fabricなどの標準技術を基盤としています。
これにより、既存の業務システム（生産管理、販売管理、ERPなど）と安全に接続しながら、
各工程のデータを自動的に整理・相互参照する仕組みを構築します。
この構造により、
生産現場：AIが作業記録やチェックリストを動的に補助
管理部門：異常値や判断の偏りを自動検知
経営層：業務全体のトレンドを可視化し、改善指針をデータで提示
といった自律型の品質保証体制が実現します。
これは、従来の「定期監査型」から「常時進化型」への移行を意味します。
4. 現場・企業・消費者をつなぐ“透明な供給連鎖”のつくり方
信頼の設計における最大の鍵は、「データ連携」です。
SUSTAIN ABLE DESIGNでは、製造・物流・販売・行政など、
異なる組織間でデータを交換・参照できる“共通モデル”を定義しています。
この仕組みにより、
製品のライフサイクル全体（生産→流通→消費）で得られる情報がつながり、
たとえば以下のような新しい価値を生み出します：
消費者が製品の背景を正確に確認できる透明な購買体験
生産現場の改善提案がサプライチェーン全体に反映される
行政や業界団体が最新の実態を基にした支援や指針を策定
つまり、信頼は単体企業の資産ではなく、社会全体の共有資源へと進化します。
5. 組織が取り組むべき３つの設計課題
SUSTAIN ABLE DESIGNの実装を進めるにあたり、組織が向き合うべき課題は次の3つです：
データの標準化：現場記録・帳票・判断基準を統一形式に整備
判断ロジックの明文化：人の経験に依存していた業務基準をAIが理解できる形に言語化
信頼の共有設計：取引先・顧客・認証機関と連携する「共通の可視化ルール」を構築
これらを段階的に整えることで、企業は単なる業務効率化を超えて、
「信頼をつくる企業」から「信頼を社会に広げる企業」へと進化していくことができます。
まとめ
SUSTAIN ABLE DESIGNは、AIを「自動化のための技術」ではなく、
信頼の構造を設計するための社会的インフラとして活用します。
品質・安全・透明性を「証明」するだけでなく、
そのプロセス自体を共に育て、更新し続ける場。
それが装舎が提案する「信頼の設計」であり、SUSTAIN ABLE DESIGNが目指す未来です