従来の品質保証は、第三者機関や外部監査による「事後的な証明」に頼ってきました。
しかし、現代の生産・流通のスピードと複雑性の中では、**「現場自身がデータを通じて品質を保証できる構造」**が求められています。
装舎が実装する AI×業務プロセス設計 は、この構造を実現する技術基盤です。
すなわち、品質保証の内製化。
それは、認証や証明を「外に出す」のではなく、業務そのものが証明になる仕組みをつくることです。
かつての品質保証は、ISO、HACCP、各種JASなどの外部認証システムに大きく依存していました。
しかし、
認証基準の更新が現場の実態に追いつかない
証明機関自体のガバナンスが揺らぐ事例が世界的に増加
データの改ざんや形式的運用による“証明疲れ”
といった課題が生じています。
つまり「外部証明の信頼性」そのものが揺らぎ始めており、
**“誰が保証したのか”ではなく、“どのように行動したのか”**が信頼の基準になりつつあります。
装舎のAI×業務プロセス設計は、品質保証の概念を根本から再定義します。
ここでの品質保証とは、検査の結果ではなくプロセスの透明性によって担保されるもの。
具体的には以下のような仕組みを実装します:
各工程(生産・検査・出荷・納品)の行動ログを自動記録
Power Apps+Dataverseで操作や入力の一貫性を確保
Azure AI Search+RAGを利用して過去データ・判断根拠を即時参照
異常値や逸脱の傾向をAIが早期検知し、改善提案
この仕組みによって、第三者が監査しなくても、現場の記録そのものが保証書になる構造が生まれます。
重要なのは、「AIが判断する」のではなく、AIが“判断の一貫性”を支えるという点です。
装舎が提案するのは、外部の認証を排除することではありません。
むしろ、現場が主体となり、外部機関が参照する“一次データ”を整備するというアプローチです。
たとえば:
生産ロットの履歴・温度・工程担当をリアルタイムで可視化
出荷先やロット別に自動で証明書データを生成
外部監査の際には「エビデンスを取りに行く」のではなく「すでに揃っている」状態
これにより、現場の透明性がそのまま「第三者にも伝わる品質保証」になります。
信頼の中心が“外部”から“現場”に戻る。
これこそが装舎の考える“現場発信の品質保証”です。
AIによるトレーサビリティ支援の本質は、単なる省力化ではありません。
AIは「責任の所在」を曖昧にするのではなく、全員が関与した履歴を透明にすることで、組織全体の信頼性を支えます。
これは、属人的な判断や口伝の品質管理を脱却し、組織全体で共有可能な“判断の文化”を設計することに他なりません。
AIが示すのは答えではなく、人が意思決定するための整った舞台です。
装舎が構築する品質保証モデルは次の3層構造です。
層 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
① 業務データ層 | 各現場の作業・判断・記録を一元管理 | 透明性と再現性の担保 |
② AI支援層 | 異常値検知・改善提案・文脈検索 | 判断の一貫性と迅速性 |
③ 共創・公開層 | コミュニティ「SUSTAIN ABLE DESIGN」で共有・検証 | 社会的信頼と透明性の再定義 |
この仕組みによって、品質保証は企業単位の取り組みから、社会的な共同実証へと進化します。
品質保証を“第三者依存”から“現場発信”に変えるということは、
単にコスト削減や効率化を目指すのではなく、「組織の信頼を自ら設計する」文化への転換を意味します。
装舎はAI×業務プロセス設計を通じて、
「現場が語る品質」「透明性が保証となる社会」への実装を支援します。