6次産業化の鍵は、“新しいことを始める”ことではなく、
既に行っている生産・加工・販売の「つながり」を見える化し、再現可能にすることです。
AIや業務プロセス設計は、生産者の感覚や経験を否定するものではなく、
それを**「仕組み化」して他者に引き継げる形にする技術**です。
装舎は、現場の手触りや判断基準を残したまま、それを“誰でも動かせるシステム”に変える。
これが、6次産業化を「一過性の挑戦」ではなく「持続可能な経営モデル」に変える第一歩です。
6次産業化の現場では、以下のような課題が繰り返されています。
生産工程は整っているが、加工・販売の人材がいない
補助金で設備は導入したが、継続的に運用できない
ブランドを作ったが、出荷量が安定せず販売契約が続かない
これらの多くは、“構想の問題”ではなく“仕組みの問題”です。
現場では経験や感覚に基づく判断が多く、プロセスが属人的になりがち。
結果として、**「継続できる6次化」**が難しくなっています。
全国の先行事例(農林水産省「6次産業化総合調査2024」など)を見ると、
成功している事業者の多くは、以下の3点を実現しています。
情報の一元管理:生産・加工・販売データを連携し、在庫・品質・出荷を可視化
判断の再現性:品質基準や出荷判断をデータ化し、担当者が変わっても安定供給
顧客との接点設計:SNSやECを単なる販売チャネルでなく、関係維持の仕組みに転換
つまり、「勘に頼らない持続的な判断構造」が6次化の根幹にあります。
装舎は、これらの構造をAIとプロセスモデルで再現します。
Power Apps / Dataverse による業務モデル化
Azure AI Search と RAG による判断履歴の検索と再利用
現場フローを可視化したワークフローモデルの導入
これにより、たとえば農産物の加工判断、出荷スケジュール、衛生管理報告などを、
人の判断とAIの照合によって“抜け・ばらつき”を減らすことができます。
この仕組みを使うことで、生産現場がそのまま「事業基盤」になる。
「作る」ことが、「届ける」ことに直結します。
6次化を始めるとき、多くの事業者が「販路」や「ブランド」を先に考えます。
しかし、装舎が重視するのはその前段階――
現場の作業や判断を、誰がやっても同じ結果になるよう整えることです。
たとえば:
加工場の温度記録・検査データをAIが自動判定
出荷判断を履歴化し、次年度の出荷基準に自動反映
顧客からのフィードバックを、製品改善にリアルタイム反映
これらは“効率化”ではなく、“品質と信頼の再現”のための設計です。
装舎が目指すのは、
「AIが生産者を代替する未来」ではなく、
「AIが生産者の判断を社会に広げる未来」です。
SUSTAIN ABLE DESIGN では、
生産現場の判断・工程・品質基準を、地域の他の生産者や流通と共有できる仕組みを共創しています。
これにより、地域全体で“届ける力”を持つネットワークを形成し、
6次産業化を“個人の挑戦”から“地域の産業基盤”へと発展させます。
“作る人”が“届ける人”になるために必要なのは、
マーケティングよりも、まず**「現場をデータで守る仕組み」**です。
装舎のAI×プロセス設計は、
生産の現場に眠る知恵や判断を可視化し、再現可能にし、
それを「誰かに託せる事業」へと変えていく。
これが、6次産業化の最初の一歩であり、
「持続可能なものづくり」への確かな道です。